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生き物とふれあって遊ぶこと

 4歳児もも組の子どもが「カメさんが抱っこできるようになった!」とカメとのふれあいを楽しむようになりました。「カメさんと一緒に遊べる場所をつくろう」と、子どもと相談して、サークルを出したり、カメが入れるようなコンテナを用意したりしました。

 コンテナにカメを入れると「水を入れてあげよう」と水を運んだり、「友達連れてきてあげよう」と、カメの家からもう一匹カメを連れてきたりしていました。また、コンテナをよじ登ろうとする姿を見て「出たいんちゃう?」とカメの気持ちに寄り添っている子どもの声もありました。ちょうど池をきれいにしたばかりで、カメの遊ぶ場所によいということになり、池にお引越ししました。すると、カメが広い池の中を好きに歩き回り、その姿がとても幸せそうで、狭い場所から移してよかったなと感じました。「カメの遊園地をつくろう!」と言い出した子どもの声を一緒に遊んでいた年長児が聞き、「砂場の道具を使ったら?」と提案してくれたことで、何が必要か考えて砂場から道具を持って来始めました。

 「カメさんを滑らせたい」と滑り台になるように樋を置いたり、「カメさんの船になる」とお皿に乗せてゆっくり動かしたりする姿がありました。カメの気持ちになって楽しいことを考えるというよりも、自分が思いついたことをカメにしてあげたい気持ちの方が強く、時々「それ本当にカメさん嬉しいかな?」「怖がってないか様子見てあげてね」という声かけも必要になります。ただ、すぐに「ダメ」と言うのではなく、カメとふれあう中で、カメの気持ちに気づけるように繰り返し伝えていけたらいいなと考えています。

 カメと一緒に遊んだ後、カメに触れたい友達が増え、カメの家に連れて帰るのは誰にするか、けんかになったほどでした。「一緒にする?」と友達と一緒にカメを連れていこうとする姿もありました。

 ウサギの“ふわちゃん”に野菜をあげて「食べてる!」と食べる様子を喜んで見たり、園庭にサークルを出し、好きに走り回れるようにしたりしています。走ることが大好きなふわちゃんは喜んでいますが、ここでもふわちゃんの気持ちに気づく姿と、まだまだ自分がしたいこと(「台車に乗せて散歩させてあげたら?」「シャワーかけてあげよう!」など)をしてあげることが、ふわちゃんの喜びにつながると信じている姿とがあります。ウサギは、自分たちのようにシャワーをすることが気持ちよいことではないこと、心臓がドキっとするようなびっくりすることをしてしまうと死ぬこともあることをその都度伝えています。生き物と過ごすことで、心が動きやってみたいことが増えていく楽しさと、取返しのつかない“命”の大切さを知らせていくことのどちらも大事にしたいと思っています。