3月8日(月)
ジョン先生との久しぶりの再会。
子ども達は、朝からわくわく心待ちにしていました。約束の時間になり、姿が見えると「あ!ジョン先生やー!」とジョン先生を一斉に取り囲むように集まりました。
みんながそろったところで、ジョン先生から
「実は…4月からは、別の大学で働くことになりました。だから今日が最後…」という話を聞くと、突然のことに、子ども達から「えぇー!」と驚きの声があがりました。そして、ジョン先生と遊ぶ最後の日、という今日の一日を思い切り楽しもうということになりました。
まずは、遊戯室に飾ってある雛人形を前に、みんなで『うれしいひなまつり』の歌を歌いました。歌い終わると、Aちゃんがジョン先生に
「この歌には意味があるんだよ」
と言いました。その言葉をきっかけに、人形を一体一体見せながら、みんなでジョン先生に雛人形のことを話しました。
「あれはお雛様。その隣はお内裏様っていうねん」
「二人は結婚しはるねん」
「三人官女っていうのは、お雛様のお世話をしはる人やねんで」
「昔は、車の代わりに、牛が車を引いててん。ほら」などなど…。
続いて、子ども達にとって思い出の遊びのひとつ、『しっぽ取り』をジョン先生と楽しむことにしました。実は先日、ジョン先生は、4歳児と交流した際にも、この『しっぽ取り』をしたという話を聞くと「そうなん?」と子ども達。そこで教員が、
「でもジョン先生!4歳児のしっぽ取りと、5歳児のしっぽ取りは、きっと違いますよ」
と言うと、子ども達から
「あんな。僕らの(しっぽ取り)は真剣!」
という声があがり「そうなの?」とジョン先生もわくわくの様子でした。そして、ジョン先生もくじ引きで決めたチームに加わり、勝負開始!
学年全員でやる『しっぽ取り』は久しぶりだったのですが、秋にやった時とは雰囲気が全然違いました。
一人ひとりの「しっぽを取るぞ!」の気迫はもちろんなのですが、取られてしまった後も、中央で頑張るチームの仲間を前のめりになって必死で声援を送る姿、以前は、なかなか一歩踏み出せず攻めきれなかった子どもが、仲間の応援を受けて、何度も果敢に敵に向かう姿など…。何よりも違ったのは、3チーム対抗のはずなのに、3チームそれぞれの声援と気迫が、遊戯室中に呼応し合い、まるで一つのチームがそこにいるような、みんなの思いがつながりあっていくような雰囲気に包まれていました。
終わったあと、ジョン先生に感想を聞くと
「みんなすごく速い!僕は15秒ですぐに取られてしまいました」
と圧倒された気持ちを子ども達に伝えてくださいました。それを聞き、
「いや、ジョン先生、2秒くらいで取られてはったよな?」
と少し誇らしげな子ども達もいたような…。
あっという間に、ジョン先生との楽しい時間は過ぎていきました。
お別れはまず、一人ずつ、今までの思いを自分なりの言葉で伝えながら、ジョン先生とグータッチをしました。
「ジョン先生、今までありがとう」
「楽しかったよ」
「また会おうね」
「次の小学校でも頑張ってね」
「また遊ぼうね」
そして、友達とつながって長いアーチを作り、みんなでジョン先生を送りました。子ども達の大好きな、あの「あしたははれる」の歌を歌いながら…。
アーチを通り過ぎたジョン先生とのお別れが、まだまだ名残惜しい様子の子ども達。最後は、玄関先までジョン先生を見送りました。何度も何度も繰り返し歌を歌いながら…。
「♪かなしくて なきたくなったとき おもいだしてほしい ぼくらのことを
くもにのり とんでゆくからね ひとりぼっちじゃないよ てをつなごうよ
すきだから きみがすきだから ともだちさ いつも いつまでも~ 」
ジョン先生と初めて出会った時、子ども達の心は不思議でいっぱいでした。
「どうして顔がチョコレートみたいなの?」
「どうして手のひらだけは白いの?」
「どうしてそんな髪の毛なの?」
でもジョン先生と話して、遊んでいくうちに、ジョン先生の、優しくて、明るくて、なんでも受け入れてくださる大きな心、その包み込むような温かさにどんどん惹かれ、今では大好きな大好きなジョン先生、という存在になりました。
ジョン先生との出会いは、子ども達のこれからの人生に、必ず大きな意味をもたらすでしょう。
ジョン先生、今まで楽しい時間を本当にありがとうございました!どうかお元気で!そしてまた必ず、会いましょう!