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なりきって遊ぶ楽しさを感じて…

 ある日、『たこやきオセロ』(ミニ版オセロゲーム。黒白の‟石”が、表面がタコ、裏面がたこ焼きの絵になっています)をしていた子どもが、『たこやきオセロ』の石を本物に見立ててひっくり返し、たこ焼きごっこを楽しみ始めました。

 そこから「そうだ、自分達でたこ焼きをつくろう」と周りに広がり、いろいろな素材を持ち寄り、”たこ焼き屋さんごっこ”が始まりました。

 翌日には「ねぇねぇ、お部屋より遊戯室の方が楽しくない?」と、保育室の‟たこ焼き屋さん”の屋台を、みんなで遊戯室に引っ越しし、そこからお客さんとお店屋さんのやりとりも生まれてきました。

 また、3学期に入り、クラスで読み聞かせした絵本『11ぴきのねこ』が楽しいなと思った子どもが、遊びの中で「にゃごにゃご…」とねこになりきる姿や、「お話に出てきた‟いかだ”を作りたい!」と材料を探して作り出す姿が見られ、そのイメージが周りにじわじわと広がり、耳やしっぽをつけたねこが大勢で乗り込めるようにと作った‟舟”に乗り、遊び始める姿も出てきました。その後、‟コロッケ屋さん”や、2学期から楽しんでいる‟研究所”の遊びも始まってきました。

 そこで、クラスの集いで、ちょうど1年前の年中組の時に、年長組のお兄さん、お姉さんに招待され、見せてもらった‟子ども劇場”のことをみんなで思い出し、「私達も”子ども劇場”をやりたい!!」と言う思いも湧いてきて、昨年度のお兄さん、お姉さんに憧れ、”警察官”になる子どもも出てきました。

 

 最初は、なりきって遊ぶことに照れくささがあった子どももいましたが、遊戯室にいると、個々のイメージはそれぞれ違いますが、なんとなく、楽しいお話の世界にいる雰囲気がそこには流れていて、その空間にいると、そのうち照れくささも忘れて、自然になりきれてしまうこともあるようです。こうやって、一人ひとりの中に生まれるイメージを、少しずつつないでいきながら、『思いを共有する楽しさ、心地よさ』が味わえるといいなぁ、と感じています。さて、明日はどんな物語が生まれるでしょう。