忍者や探偵になりきってサンタクロース探しを連日楽しんでいる子どもたち。ある日、隣の附属桃山中学校のテニスコートに丸まった包装紙が落ちているのを見つけました(おそらく保育の中で子どもたちが作ったものが、風に吹かれて飛んでいったのだと思います)。よく見てみると…クリスマス柄の包装紙でした。「これはもしかして…サンタさんの落し物⁉」「えぇっ！サンタさんの⁉」さらに、包装紙の近くに落ちていた、ペットボトルのキャップや紙切れを発見、「これも落し物かもしれない」「みんなに配るプレゼントかなぁ」とみんなの予測が飛び交います。前回のブログにもありましたが、一度サンタクロースのことを考え始めると、もう何を見聞きしてもサンタクロースのことに結びついてしまいます。(笑)
「サンタさんが困っているかもしれないから、拾ってあげよう」と長い棒の先に粘着テープを付け、みんなで奮闘すること20分。やっとのことで拾うことができた落し物は、遊戯室の“どんぐりらんど”の中にある、“研究所”(ここではサンタクロースの手がかりとなる様々なものを調べるなどして遊んでいます)のポストにそっと入れられていました。
翌日、“研究所”のポストの中を覗いてみると…落し物が無くなっています！代わりに『きのうはありがとう』と書いた手紙と、お花紙で作られたキャンディーが入っていました。「サンタさんから手紙が来た！」と大興奮の子どもたちは、早速お返しの手紙やプレゼントを考えます。『こちらこそ、ありがとう。ところで、サンタさんは、“ブラックサンタ”をしっていますか？』と大事なプレゼントを持って行ってしまうと噂の“ブラックサンタ”について尋ねたり、『わたしたちはにんじゃです。これどうぞ』と手紙に書き、忍者ごっこで使っている手裏剣をプレゼントしたり、自分の好きなものを折り紙で作ったりしていました。中には「キャンディーくれたってことは、食いしん坊サンタさんなのかなぁ」「私たちと同じで忍者のサンタさんだったらいいなぁ」など、どんなサンタクロースなのかを友達同士で話し合う子どもたちもいました。そして、「サンタさんに会いたい！」という声があがり、『あしたのあさ、１０じにきてください』という待ち合わせの手紙もポストへ入れておきました。
さて次の日。再びポストの中を覗くと…空っぽです！「やっぱりサンタさん来たんや！」「でも、何も入っていないよ」「まだ10時になっていないからじゃない？待ってみよう！」と10時を待ちます。サンタクロースへの期待が高まっている子どもたちは、待つ間もサンタクロースのことで頭がいっぱいです。スズランテープを長く裂いたものを流れ星に見立てて左右に振り、「私たちはここにいるよ～」とサンタクロースへ猛アピール。空に浮かぶ雲を見て「あれ、サンタさんに見えへん？」「えっ、どこどこ？…わっ、ほんまや」と話している子どもたちもいました。
約束の10時になり、“研究所”の前に行きますが…サンタクロースは現れません。園庭に出て探したり、もう一度流れ星を振ったりしてみますが…現れません。と、そこへ、「大変大変！手紙があった！」と動物当番の子どもたちがやってきました。どうやら当番中に動物小屋の中で手紙を見つけたようです。手紙には、『ぷれぜんと、ありがとう。てががりは【あか】』と書かれていました。「赤いものを探せばいいってこと？」「赤いプレゼントなのかなぁ」と一斉に【あか】探しが始まりました。途中で探偵ごっこをしていた年中さんにも、「今、赤いものを探してて…」と手がかりが無いか聞いてみました。遊戯室や園庭、そして屋上へ行ってみると…ありました！プレゼントです。赤いサンタ帽子と黒いサンタ帽子の中に、それぞれマシュマロ(白い緩衝材がチョコレートの香りがする包み紙にくるまれています)が入っていました。「あれ？“黒い”帽子って…もしかして“ブラックサンタ”からのプレゼント⁉」と驚く子どもたち。それぞれのマシュマロの匂いを嗅いでみると、「(赤い帽子の)サンタさんは苺の匂いがする」「“ブラックサンタ”のマシュマロは、名前が“ブラック”だから、チョコレートみたいな匂いがする」など、色のイメージから嗅いでいる匂いも変わるのだなぁと面白く感じました。
そこから、サンタクロースやブラックサンタとの、手紙やプレゼントのやりとりが続きました。幼稚園だけでなく、家に帰ってから手紙を書いたり、プレゼントを作ったりしてポストへ入れている子どももいます。ある時は『てがかりは【さんかく】』、という二人のサンタからの手紙が届き、園内のあらゆる三角を見つけたり、自分の手で三角を作り出したりしながら、プレゼント探しに夢中になりました。サンタから“友達の印”として年長組全員に届いたトナカイのキーホルダーは、名札に付けて毎日嬉しそうに眺めていたり、家のクリスマスツリーに飾ったりしているそうですよ。
