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こうしたら入るんじゃない?

 朝夕は、すっかり涼しくなり、気持ちの良い気候になりました。

 

 4,5歳児は縦割り活動の“きょうだい”で、一緒に花当番をしています。季節の花がたくさんある場所には、水道の蛇口が一つしかなく、如雨露に水を入れるにもなかなか順番が回ってきません。それなら、と、たらいに水をたっぷりと張って、水汲みがしやすいようにしました。

 始めはたっぷりとあった水が、何回も水を汲むうちにどんどん減ってきます。「たらいの水がなくなったら、今日の水やりはおしまいにしよう」と言っていたので、如雨露を寝かせて入れようとするのですが、なかなか水がいっぱいになりません。「どうしたら、水が入るかなあ?」と声をかけると、「バケツ、かなぁ」と砂場へ走っていきました。手にしたバケツで意気揚々と入れていましたが、それも少しの間でした。「う~ん、入らない…」「ほんと、すくえなくなってきたねぇ」。次の子どもは「スコップは?」と言いました。「やってみたら?」と言うと、走って取りに行き、持ってきたのは、ペタンコの大きなスコップ。「だめだ~」、すくえませんでした。その様子を見ていたまた別の子どもの「こういう時は傾けたらいいんだよ」の言葉に、別の子どもが「たらいのふちを持ち上げて傾けてくれると、そばにあったカップでどんどん水がすくえて、如雨露に水が汲めました。

 感染予防のため、三密を避けることが最も大事、と子ども同士が集まることを極力避けるようにしてきましたが、屋外ではこんな場面も見られます。でも、こうやって集まってくると、自分では思いつかない考えが出てきて、「なるほど~」とそれを受けいれてうまくいく、という体験もします。三人寄れば文殊の知恵、ではありませんが、こういった学びの様子は、集団で生活するからこその姿だと思うのです。

 

 今日は何気ない一つの場面でしたが、これこそ幼稚園で遊び、生活する中での学びだと思いました。